摩擦は、多くの国や地域との間に拡大中。EC各国、アジア諸国との間もそうですが、深刻さ、影響の重大さからは、日米経済摩擦がなんといっても焦点です。しかしその重大さに日本人は鈍感すぎないでしょうか。戦直前のふんいきを覚えている人のなかには、いまの状況を「あの頃なら戦争になってるな」と言う人がいますが、全体としては鈍感。政府の対応のしかたもピント外れだと私は思います。ソ連(日本の保守派が仮想敵国としている国)が存在するおかけで、まさか日米が戦火を交わすわけにはいかないでいると言うべきかもしれません。日米貿易摩擦は、まず60年代末頃から生じました。それが71年のニクソン−ショックを誘い出します。そして71〜72年の繊維、77〜78年の鉄鋼とカラーテレビ、81年から自動車、82年から電気通信事業と半導体などハイテク分野と、摩擦の中心となる産業分野がつぎつぎに登場しています。なぜ摩擦か。日本製品の対米輸出がアメリカの当該産業を脅かしてきた。これが直接原因です。
地球環境問題でも、アメリカには先進国のリーダーとしての積極的取組みが期待されますし、農業問題についても、市場メカニズムを重視し保護主義に陥らぬよう、GATTの場で世界のリーダーにふさわしい調整役としての責任を果たしていかねばなりません。また広大な国土をかかえるがゆえの、いわゆる「国土の不均衡発展」という地域構造問題も、大国がかかえる一つのもろさだと言えましょう。この問題に関しても、放置できないのは言うまでもありません。というのも所得面での地域格差は、社会的・政治的問題に直結し大きな火種に発展しかねないからです。こうしたいわば「大国であるための泣き所」を、クリントン新大統領がどのように解決していくのか、また新大統領下で、大国アメリカの「体質改善」が果たして実現するのか、今後の大きな課題です。
個人のバリューチェーンを見直すことによってはじめて、自分のコアコンピテンス(核になる強み)は何か、自分は何のプロになるべきかという方向性が見えてくる。リーオリエンテーション、つまり指向性の再調整をやっていけば、ビジネスマンとしての活路が生まれてくる。もちろん、コアーコンピテンスを見直した結果、日本の年功序列体系の中でもらっていた給料と、マーケットバリューのあいだに違いが生じることはあるだろう。だが、それが現実であることを受け入れなければならない。そう、大切なのはマーケットを見る目である。長く一つの会社の中にいた人が会社を飛び出して痛感するのは、自分にとっては会社の中だけがマーケットだった、ということだ。会社の中にいると、誰がどの派閥だというような、会社をマーケットとして見る目は育つが、外の本当のマーケットを見るセンサーが働かないのだ。
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